ひき潮(内因性抑うつ症で生命緊張力が低下した状態)になると岩礁(どんな人間の根底にも存在する罪責)が露出されてくる。しかし岩礁が引き潮の原因ではない。岩礁は潮が満ちれば文字通り暗礁になり水底に隠れる。潮が満ちているような生活ができればいい。薬物療法は苦しみを緩和する。これは身体次元の精神療法である。ヤコブの梯子を上り精神次元での精神療法ではどうなるか。
勝田先生の近著から引く。「ここで満潮というのは、自分に課せられた「ミッション」を実現できる充実した生活を表しています。私たちが日常、自分の才能や経験を使って「誰かのため」「何かのため」に役だつことができれば、たとえ自分の人生にどんなにたくさんの岩礁が存在していたとしても、それは大きな問題にならないということなのです。」(勝田茅生「ロゴセラピーと物語―フランクルが教える<意味の人間学> 新教出版社 2022 p.117)
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