エピソードとアナロジーで理解するフランクル

チャンピオンはこう答えるしかない。 「棋士がなすべきことは、自分に可能なことと対戦相手が許すことに応じて、そのつど、最上の手を打とうと努めることなのです。」そのつど、状況に応じて打つのである。 人生の価値実現の機会は、時々刻々変化するとともに、個々人によっても異なる。 そのつどの価値の実現に責任がある。...
 現実の苦しみの渦に巻き込まれていれば唯ただ苦しいだけだ。そこでトリックを用いた。暖房のきいた大ホールで「強制収容所の心理学」の講演をしている。苦しんでいる自分は、心理学研究という一段と高いところから観察され描写されている。このトリックによって、現実の苦しみは過去のもののようにみなされ超然としていることができた。...
これはフランクルの中で、私が一番好きな例えである。避難小屋(「ミッション」)を見つけ勇気百倍の喜びを描いて美しい。
フランクルはよくたとえ話をする。たとえ話は心理学的にはアナロジー(類推)の利用である。3月27日のブログでは飛行機のアナロジーを紹介した。これは4項類推である。             動物:人間=自動車:飛行機 ...